人類史を俯瞰する驚異の口承史の書籍化!『一万年の旅路』

一万年の旅路

ネイティブ・アメリカンの一種族であるイロコイ族の先祖放浪の口承史です。

 

彼らの先祖は、その発祥の地(アフリカ)からユーラシア大陸を横断し、ベーリング海峡を渡って、アメリカ大陸までを歩いて旅をしました。

その間に一族として、人間として成長していく様を、口承史として伝え至り、その物語を一冊にまとめたのが本書です。

 

1部族の放浪の記録に過ぎないと言えば確かにそうなのですが、タイムスケールが凄まじく長く、人類が人として生きるための”英知”や”知恵”を何もないゼロベースからどのように獲得したかを描き出した、まさに血涙が滲んだ凄まじい物語なのです。

この物語は数多くの人類の歴史書の中でも、それらを代表するものの一つであると私は確信します。

超有名な人物が登場するわけではありませんが、人類史の中の非常に普遍的な進化の歴史であり、血の通った人間の歴史なのです。

 

今を生きる私たちもそこから多くを学ぶことができます。

walking people

(アマゾン公式サイトより)

 

アマゾンの解説文は以下の通りです。

イロコイ族の系譜をひく女性が未来の世代へ贈る
一万年間語り継がれたモンゴロイドの大いなる旅路
アメリカ大陸に住む、インディアンとも呼ばれるネイティブ・アメリカンの人々は、その昔ベーリング海峡が陸続きたっだころベーリング陸橋をわたり、アジア大陸へ渡ってきたモンゴロイドの子孫だという説が定着しつつある。「一万年の旅路」は、ネイティブアメリカンのイロコイ族に伝わる口承史であり、物語ははるか一万年以上も前、一族が長らく定住していたアジアの地を旅立つ所から始まる。彼らがベーリング陸橋を超え北米大陸にわたり、五大湖のほとりに永住の地を見つけるまでの出来事が緻密に描写され、定説を裏付ける証言となっている。
イロコイ族の系譜をひく著者ポーラ・アンダーウッドは、この遺産を継承し、それを次世代に引き継ぐ責任を自ら負い、ネイティブ・アメリカンの知恵を人類共通の財産とするべく英訳出版に踏み切った。
(アマゾン『一万年の旅路』解説文より)

訳者の解説では、この物語のスタートはアフリカであり、そこに住んでいた部族の一部が安住の地を求めて、ユーラシア大陸を横断し、ベーリング海峡を渡り、アメリカ大陸をさまよい、五大湖のほとりに行き着くまでの口承伝であり、タイトルは一万年とありますが、実は十万年以上のヒストリーをまとめたものではないかと記述しています。

 

一部の人からは何じゃこれの『トンデモ本』にカテゴライズされていたりするのですが、私はすべてある意味で『事実』であると思っています。

古代からの物語であり、その上異国の異民族の物語でありながら、人が生きるということはどのようなことなのかを考えさせてくれる内容が満載された紛れもない名作であると確信します。

口承史が伝えようとしているのは一族の心

一族の物語を伝える者は一族の子供の中から選ばれ、その子は語部(かたりべ)として、自分の一生をかけて物語を自分の全身全霊に刻み付けるんですね。

著者であるポーラ・アンダーウッドは、語部である自分の父親から物語を引き継ぐのですが、はしがきに物語を伝えられる様子が記載されており、それだけでも本当に興味深い内容なんです。

文字を持たない一族にとって、その物語を受け継ぐということは口承しかなく、もしかしたら単に丸暗記で伝えていくのかと想像しますが、そうではありません。

言葉が多少違って伝わっていたとしてもそれは問題ではありません。

物語を受け取る者は、聞く言葉の奥にある一つ一つのシーンが、自分の眼の前にありありと浮かび、当時の人々の心と自分の心が全く一つになるまで作業を続けるのです。

海峡

例えば一族が協力し合いながらベーリング海峡を渡るシーンなどは圧巻です。

 

当時、彼らは船すら持ち合わせてはおらず、ベーリング海峡を歩き、さらには泳ぎ渡るしか方法がないのです。

年寄りや幼い子供たちをどのように海を渡らせるために知恵を絞ったり、今まで一族を導いてきた長老は足手まといになってはならないと渡ることを拒んだりと、一族の苦悩と未知の地にかける夢が読者の胸にもグイグイと迫ってきます。

歴史書の部類の書物を読んで、不覚にも泣いてしまうなんて、全く思いもよらない体験をしました。(笑)

この本は私たちが生きるための教科書にもなる

グランドキャニオン

イロコイ族の先祖と同じように、人はいつの時代も未知の地に足を踏み入れ、何かを掴み、何かを犠牲にしつつ進歩しています。

全く未知の障害や状況を目の当たりにした時に、集団としてどの様にそれらを乗り越えていけば良いのか、今を生きる私たちにも、この口承伝はいくつかの有益な実例を示してくれています。

 

『一万年の旅路 ネイティヴ・アメリカンの口承史』

著者:ポーラ アンダーウッド 

訳者:星川 淳

出版:翔泳社

初版:1998年5月25日

アマゾンより購入

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